モニターヘッドフォン「FIFINE H8」をレビューしました。
低価格帯でありながら、解像度高めの音を鳴らしてくれる良ヘッドフォンでした。
音を細かく聴きとるために使われる「モニターヘッドフォン」。
有名ドコロはSONYの「MDR-CD900ST」で、日本中、世界中のスタジオで愛用されています。
僕もMDR-CD900STを愛用中で、音楽制作でヘビロテしています。
ですが!2つのデメリット、「価格高め」、「音楽鑑賞には向かない」があります。
ここがね、音楽初心者には手を出しづらいポイント。
と、このデメリットをうまく解消したモニターヘッドフォンを発見しました。
それが、FIFINEの「FIFINE H8」。
- 価格は4,860円(税込)
- 解像度が高くモニター向き
- でも音の鳴りは良く音楽鑑賞にも使える
MDR-CD900STに解像度では劣りますが、その分ピュアだけど心地いい音を鳴らしてくれます。
「モニターヘッドフォンを試してみたい」って人にはイチオシ。
普段はモニターとして、時には音楽鑑賞と、使いどころの広いヘッドフォンでした。
- スペック
- 価格
- 開封・外観
- メリット・デメリット
- 比較
- こんな人におすすめ
本記事では「MDR CD900STとの比較」をはじめ、ていねいにレビューしていきます。
- 音の解像度は予想以上に高い
- 音質も良いからリスニングにも使える
- つけ心地が軽くて聴き疲れしない
- 有線だけどカールコードで使い勝手は良い
- お値段以上の質感
- 特徴的なデザインが人を選ぶ
FIFINE H8のスペック
製品名 | FIFINE H8 |
---|---|
タイプ | 密閉型 |
スタイル | オーバーイヤー |
ドライバー | 50mm |
周波数特性 | 20Hz~20000Hz |
インピーダンス | 32Ω±15% |
感度 | – |
最大入力 | 20mW |
ケーブル長 | 3m |
ケーブルタイプ | カール |
プラグ | 3.5mm/6.35mm |
プラグ形状 | ストレート |
重量 | 265g |
接続 | 有線、ケーブル脱着式 |
ポイントは以下。
- ドライバーサイズは50mmと大きめ
- 周波数特性はモニターとして必要十分かなレベル
- インピーダンスは低めで使いやすい
- ケーブルはカールタイプで使いやすい
- 接続は3,5も6.35mmもどちらもいける
- 重量は265g、比較的軽め
- ケーブルが着脱できる
ざっくりまとめると、大きめのドライバーサイズで音質を保ちつつ、モニターとしてそれなりの周波数帯まで再生できる、そんなヘッドフォン。モニターだけでなくリスニングにも使えるのがポイントですね、ぶっちゃけ、5,000円以下の価格では超合格レベルです。
FIFINE H8の価格
2023年10月現在、Amazonにて4,860円(税込)ほどとなっています。
5,000円切ってくるのは、ちょっと驚異的ですよね。
質感も良く、音も間違いないので、この価格設定はさすがとしか言いようがありません。
FIFINE H8の開封・外観
ここでは「FIFINE H8」の開封および外観チェックをします。
開封
それでは開封していきます。
外箱は価格なりの質感といったところ。
パカッと開封するとこんな感じ。
見る人が見ればわかります。「これ絶対モニターヘッドフォンや」って。
それくらいモニターらしい見た目しています。
内容は以下。
- FIFINE H8本体
- カールコード×2
- 取扱説明書
取扱説明書はしっかり日本語対応です。
付属のコードは2本。
2本ともカールコードで使い勝手◎です。
3.5mmおよび6.35mmプラグで、ケーブル変更でどっちもいけるのは良いですよね。
外観
それでは、FIFINE H8本体を見ていきます。
ザ、モニターヘッドフォンという無骨な外観。
標準的なサイズで、大きすぎず小さすぎずといったところ。重さは軽いです。
シェルにはFIFINEのニコちゃん風ロゴ。
カラーはマットなブラックで、モニターヘッドフォンと相性がいいです。
イヤーパッドは適度に反発があるタイプ。
包み込むというよりは、耳にのせるといったつけ心地になります。
モニターヘッドフォンは、このタイプのイヤーパッドが多いですね。
うっすらとですが、LRの記載があります。オールブラックの外観をじゃましないように、うっすらと入ってるトコロがうれしいですね。
ケーブルは着脱式になっています。
持ち運びしやすかったり、引っかかった時に断線しにくいメリットがありますね。
もし断線したとしても交換しやすいのもメリット。
ヘッドフォンの内側にも、さりげないFIFINEのロゴが。
目立たないように入れてあるのが、わかってるな〜って感じです。
ヘッドフォンサイズは変更可能。僕みたいに頭デカくてもOK(笑)。
太めのヘッドバンドが個人的に好み。マットなブラックのカラーも相まって、無骨感が増しています。
細かい部分ですが、本体のコードは編み込みタイプ。
強度が増しているのに加え、純粋に見た目が良いですよね。
ここまで、FIFINE H8を「モニターヘッドフォンらしい見た目」って書いたのは、コイツのせい。
SONYの超定番モニターヘッドフォン「MDR-CD900ST」です。
丸コピーではありませんが、似ているディテールがいくつかありますよね。
左がFIFINE H8、右がMDR-CD900ST。
FIFINE H8のほうが少し大きめでふっくらとしています。重さも、FIFINE H8が少し重いです。
MDR-CD900STは10年モノなので少しヘタってますが、こう見ても細かな部分から似ていますよね。
この形がモニターヘッドフォンとして使いやすいんですよ。やっぱり。
STEINBERGのオーディオインターフェースに接続して視聴しました。
音質等はメリットにてくわしくお話しますが、なかなか解像度の高いサウンドで気に入りました。
久々のモニターヘッドフォンでテンション上がります。
大学生の頃、はじめてMDR-CD900STを手にした時を思い出しました。
質感も実に良いです。局所局所に金属が使用されていて、プラスチッキーさはゼロ。
高級感があると言えば言い過ぎですが、無骨でガシガシ使える感じが出ています。
モニターヘッドフォンはこうでなくっちゃ。
FIFINE H8のメリット
ここでは「FIFINE H8」を使ってみてわかったメリットを紹介します。
以下5点です。
- 音の解像度は予想以上に高い
- 音質も良いからリスニングにも使える
- つけ心地が軽くて聴き疲れしない
- 有線だけどカールコードで使い勝手は良い
- お値段以上の質感
音の解像度は予想以上に高い
モニターヘッドフォンの絶対条件が「音の解像度の高さ」。
細かい音まで鳴らして、音楽の粗探しをするのが仕事ですから。
その点で、「FIFINE H8」、解像度は十分に高いです。
高音、中音、低音、どこかに軸を置いた音作りでなく、全体に幅広く、細かく音を鳴らしてくれます。
わかりやすく言えば、曲の裏で鳴っているような小さな音まで聞こえる、そんな印象です。
だからこそ、
- 正確な音表現で、出来上がった曲に違和感を感じづらい
- じっくり聞かなくても粗探しがしやすい
- バランスが良く、ヘッドフォンとして使いやすい
モニターヘッドフォンとしての条件をしっかり満たしています。
今までリスニング用のヘッドフォンで作業していた人は、モニタリングのしやすさに驚くはず。
外観も「ザ・モニターヘッドフォン」なので、作業もテンション上がりますよ。
音質も良いからリスニングにも使える
「FIFINE H8」、リスニングにも使えるのがありがたい。
特に「色付けの少ない音が好き」って人には好まれると思います。
ここ最近のヘッドフォン業界、リスニング用に音の厚みを上げ、キラキラとした音作りにしがち。
そこと正反対、武骨で正直な音を楽しめるのが、本機の大きな特徴です。
- 伸びの良い素直な高音
- 高音・低音をじゃましないバランスの良い中音
- 色付けが少なく、良い意味で固い低音
トータルでバランスが良く、聴いていてモニターヘッドフォン的なイヤミがないんですよね。
同じモニターヘッドフォン「MDR-CD900ST」 は、リスニングには全然向かないですから。音の分解能が高くて。
その点でも、モニターヘッドフォンとして、FIFINE H8は貴重な製品だと思います。
「モニター用とリスニング用、どっちも買ってらんないよ」って人にはありがたい存在のヘッドフォンです。
僕自身10台くらいヘッドフォンは所有していますが、本機、リスニング用にも当たり前に使っています。
つけ心地が軽くて聴き疲れしない
つけ心地は個人的に好み。
側圧が強すぎない、軽いつけ心地になっています。
ここがね、モニターヘッドフォンとしては重要な部分!
モニタリング作業って長時間ヘッドフォンするから、側圧強いと頭とか耳痛くなるんですよ。
FIFINE H8は、
- 側圧弱め
- 本体は265gと軽め
- イヤーパッドもやわらかい
この点でも、モニターヘッドフォンのポイントを押さえてますね。
密閉型のヘッドフォンですが、どちらか言えば耳に乗せるようなつけ心地なので、圧迫感もゼロです。
モニター用でもリスニング用でも、つけ心地って重要ですからね。音に長時間ひたっていられますよ。
「ヘッドフォンはちょっと…」ってイヤホン派の人にも使ってみてほしいです。
有線だけどカールコードで使い勝手は良い
ワイヤレスヘッドフォンが主流の現在。
「FIFINE H8」は有線です。モニターヘッドフォンとしては有線が当然かもですが。
その点で「使いにくいかな?」と思っていました。が!そうでもないのが本音。
というもの、カールコードなので取り回しが良いんですよ、ストレートコードとくらべて。
- デスクの上が散らからない
- からまらない
- 伸びるので多少の移動はラク
デスク上で右に左に動いても、全然ストレスは感じませんでした。
このカールコード、DJ用のヘッドフォンで採用されがち。DJって派手に動くことが多いですから。
その点でも本機にカールコードを採用したのは大賛成ですね。
「有線だけども、無線に近い使い勝手を」、そんな印象を持ちました。
お値段以上の質感
価格が安いから心配してたんですよ、安っぽくないかって。
実機を目にして、「うん大丈夫」、まったく安っぽさはありませんでした。
- 本体ベースは金属製
- 編み込みタイプのコード
- パッド類のボリューム感
どれをとっても手を抜かれた部分は見つからないですね。
それでいて5,000円以下でしょ。おどろき。
やっぱね、質感って重要なんですよ、使っていてテンション上がらないと使わなくなるから。
その点でも、「使っていてうれしい・楽しい」、長く付き合っていけるヘッドフォンでした。
FIFINE H8のデメリット
ここでは「FIFINE H8」を使ってみてわかったデメリットを紹介します。
以下1点です。
- 特徴的なデザインが人を選ぶ
特徴的なデザインが人を選ぶ
デメリットは1点のみ。
「デザインが人を選ぶ」ってトコですね。
ヘッドフォンのシェル部分にニコちゃんマークのようなデザインがほどこされています。
FIFINEのブランドロゴの1部なのですが、ここ好みが分かれそうです。
個人的には、FIFINEのロゴそのものをのせてくれた方がうれしかったかな。
ただ、目立つデザインではないので、気にならない人が大多数だと思います。
FIFINE H8とSONY MDR-CD900STとの比較
ここでは、伝説のモニターヘッドフォン「SONY MDR-CD900ST」との比較を行いました。
「FIFINE H8がモニターヘッドフォンとしてどうなのか?」、そんな目線で見てもらえたらと思います。
製品名 | FIFINE H8 | SONY MDR-CD900ST |
---|---|---|
タイプ | 密閉型 | 密閉型 |
スタイル | オーバーイヤー | オーバーイヤー |
ドライバー | 50mm | 40mm |
周波数特性 | 20Hz~20000Hz | 5~30,000Hz |
インピーダンス | 32Ω±15% | 63Ω |
感度 | – | 106dB/mW |
最大入力 | 20mW | 1,000mW |
ケーブル長 | 3m | 2.5m |
ケーブルタイプ | カール | ストレート |
プラグ | 3.5mm/6.35mm | 6.35mm |
プラグ形状 | ストレート | ストレート |
重量 | 265g | 約200g |
接続 | 有線、ケーブル脱着式 | 有線、ケーブル脱着不可 |
価格 | 4,860円(税込) | 15,800円(税込) |
詳細 | 詳しく見る | 詳しく見る |
ざっくりポイントだけまとめると、
- モニターヘッドフォンとしての性能はMDR-CD900STの方が上だけど、FIFNE H8も頑張っている
- しかもFIFINE H8はめちゃくちゃ安い
やっぱり価格に目がいっちゃって、5,000円以下でこれだったら、FIFINE H8に手が伸びるな~といった印象。
FIFINE H8は、カールケーブルを採用したり、ケーブル脱着式だったりする点で、MDR-CD900STよりも洗練されている部分も多いです。
モニターヘッドフォンとしてガシガシ使いたいならMDR-CD900STを選ぶけど、リスニング用途にも使いたかったり、初モニターで価格が安いの希望だと、FIFINE H8がおすすめですね。
FIFINE H8はこんな人におすすめ
- 低予算でモニターヘッドフォンがほしい人
- 色付けしていないフラットな音が好みの人
- これから音楽をはじめようと思っている人
モニターヘッドフォンのエントリーモデルとして、「はじめて」って人におすすめします。
音楽関連は何かとお金かかりますから、コスパが良いとありがたいですね。
モニタリング用途だけでなく、リスニングにも使えるので、幅広くおすすめできるヘッドフォンでした。
FIFINE H8のレビューまとめ
「FIFINE H8」を紹介しました。
いやー良い体験させてもらいました。
だってSONY「MDR CD900ST」の半額以下ですからね。
それでいて、
- モニター用途にバッチリの高解像度
- 側圧弱めで長くつけても疲れにくい
- カールコードで使い勝手も◎
僕、大学時代に音楽制作はじめたのですが、「その頃にあったらな」とつくづく思いました。
音楽制作でも音楽鑑賞でも、日常でガシガシとハードに使ってほしいヘッドフォンでした。
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