禁煙しようとお考えですか?
僕(プロフィールはこちら)はこれまで「どのようにしてたばこをやめたか?」、そして「どのようにして禁煙が始まったか?」を記事にしてきました。
その様子は以下の記事にまとめています。
今回は「たばこをやめた後」のお話をします。
- 禁煙はきつかったのか?
- どこかで吸いたいと思わなかったのか?
- 体にどんな変化があったか?
僕が禁煙をはじめる前に知りたかったお話をまとめています。
禁煙後の経過を書いていますので、お時間があるときに読んでみてくださいね。
禁煙一日目
朝、目が覚めた。
今日は仕事は休み。清々しい朝だ。
いつもなら何よりも先にたばこに火をつけていた。
今日は、代わりに冷たい水で顔を洗った。
「このタイミングでたばこを吸っていたんだよなぁ」
まだ禁煙して一日すら経っていないのに、たばこを吸っていたときが遠い昔のように感じた。
食後やふとしたタイミング、いわゆる間というものをなにか埋めようとする努力はしなかったが、やっぱり少しは違和感があった。
けど、その間をたばこで埋めようとは思わなかった。
一日がゆっくりと過ぎる気がした。
チャンピックスは、もうしばらく飲むことになっている。
僕が喫煙者だったなごりは、飲むチャンピックスと、これから浄化されていくはずの肺だけだ。
喫煙者だったころ恐れていた「禁煙時のたばこを吸いたい欲望」は全然なかった。
ただ、禁煙によって得た「一日5分×20本の時間」は、禁煙一日目の僕には少し手持無沙汰な時間になった。
「たばこを吸ってなかった頃はなにしていたんだろう?」
なんて疑問は浮かんだが、世間一般に言う「たばこへの渇望感」は全くなかった。
夜寝る前の一服も、今はもうない。
禁煙ウォッチは、僕が非喫煙者になって一日が経過したことを示していた。
禁煙して一日目、思ったよりも普通の一日であった。
禁煙三日目
世間一般的に、禁煙で一番危なくなる日、それが禁煙三日目だ。
個人的には、あまり意識しなかった。
禁煙で一番つらい日を乗り越えた感覚もなかった。
これはチャンピックスの効果なのか、禁煙セラピーの効果なのかわからないが、つらさはなかった。
どちらかというと、禁煙による「間」にも少しづつ慣れ、なにかに置き換えようとはしなかった。
けど、職場でのたばこのために何時間かおきに席を立っていた「間」だけは、ストレッチの時間に置き換えることにした。
ニコチンが身体から抜けていっている感覚はなかったが、なんとなく身体が浄化されていっている感覚はあった。
なんとなく禁煙三日目が一番危ないと聞いていたけど、僕の禁煙方法にはあまり当てはまらないんだろうと思った。
この先待っているであろう、喫煙していた頃よりも少し健康的な生活が楽しみだった。
禁煙に成功した人のブログを見たりして、その体調の変化が自分にも訪れると思うと、なんだかワクワクするものがあった。
禁煙マラソンというサイトがある。
そこには禁煙をしている人が、現在進行形で今どういう状況か、どう思っているかなどを書き込んでいる。
「つらい、つらすぎる!」、そんな書き込みが多く、僕は高みの見物をして、なぜか優越感に浸っていた。
禁煙ウォッチは、順調に僕の非喫煙者としての時間を刻みつつある。
これを見るのがクセになり、禁煙で「節約できたお金」と「伸びていく寿命」を見るのが楽しかった。
禁煙一週間目
身体に変化が出始めた。
もちろん良い変化だ。
たばこの臭いがわかるようになった。
具体的に言うと、スーパーなどですれ違う人が喫煙者かそうでないのかがわかるのだ。
嗅覚が正常になっていくの感じるし、それとともに喫煙者の嗅覚が相当鈍っていることを知れた。
そして、僕も同じ臭いを発していたのかと思うと、周りに申し訳なかったなと反省した。
この嗅覚の変化が、僕が感じた「禁煙による最初の変化」だ。
どのお店で、いつ、どのようなおじさんからたばこの臭いがしたかをはっきりと覚えている。
それほどに衝撃だった。
それとともに、禁煙による変化がこれからもあると思うと、禁煙自体を楽しめるようになっていた。
一日目は気になっていた「間」もさほど気にならない。
禁煙セラピーで学んだように、「禁煙は難しいものではないのだ」とも感じるようになっていた。
禁煙している自分を客観視できるようになったこともまた、禁煙して一週間経った自分の変化であった。
禁煙一か月目
たばこを吸いたい感覚をもう忘れかけていた。
体調はすこぶる良かった。
ひとつあげろと言われると、やはり「呼吸に関すること」だろう。
まず、咳が減った。
歯磨きの時にえづいていた「喫煙者あるある」もいつの間にか無くなっていた。
痰も出なくなった。
汚い話ではあるが、喫煙者の頃の痰は、少し茶色がかっていた。
それも完全になくなった。
おそらくその色はタールの色だったのであろう。
嗅覚は取り戻され、そして味覚も鋭くなった。
食べ物がおいしく感じ始めるのもそのせいであろう。
体調が良くなることだけで、禁煙に価値があったと、そう思う。
そして、これも「禁煙あるある」であると思うが、たばこを吸う夢を見た。
やってしまったと思った。
夢でよかった。
いくらもうたばこを吸いたいと思わなくても、身体に刻み込まれたなにかがまだ残っているのだろう。
改めて、油断禁物だとその時思った。
ここだけの話、チャンピックスを飲み忘れたりすることが増えた。
禁煙三か月目
この頃になると、もう吸いたい感情より、もはやたばこをどのタイミングで吸っていたのかさえ忘れていた。
言い過ぎかと思われるが、自分の場合は本当にそうだった。
それくらい、チャンピックスと禁煙セラピーを組み合わせた禁煙方法は、僕に合っていたのだろう。
あまり良くないが、チャンピックスは基本的に三か月ほど続ける(薬を飲み続ける)というルールをやぶり、僕は途中で服用するのをやめてしまった。
やめたというよりは、飲むことを忘れ、その期間が延び、最終的には飲まなくなったのだ。
「チャンピックスを飲まなくなったら、またたばこ吸いたくなるのかな?」
なんて、以前の僕は考えていたのだけど、もはやチャンピックスを飲むことを忘れだしたら、たばこのことなんか思い出すはずがなかった。
もったいないが、買ったチャンピックスの半分くらいが余った。
けどまぁ、禁煙には成功したし良しとしよう。
毎日見ていた禁煙ウォッチも、あまり見なくなった。
たばこを吸っているのが日常だった身体が、たばこを吸わないのが日常である身体に変わって行った。
まわりは喜んでくれた。
そして、先輩がそうしてくれたように、自分もこの楽な禁煙方法を皆に伝えたいと思うようになった。
寒かった冬は終わり、そのせいか、たばこをやめたせいかはわからないが、息がしやすい。
毎年毎年きつかった花粉症の調子も、なんだかいつもよりいい。
ベランダの灰皿も、換気扇の下の灰皿も、片づけてなかったのだが、もうそろそろなくしてしまっても問題なさそうだ。
禁煙半年目
禁煙をしている感覚がなくなってきた。
禁煙はいつになったら終わるのだろう。
哲学のような問がなぜか頭に浮かんだ。
この頃から、もう禁煙に成功したと人に言うようになった。
事あるごとに「たばこやめたんですよ!」が口癖となった。
個人的にはもう、やめたというよりは、もう元から吸っていなかったのではないかという錯覚さえあった。
それほどに、依存という言葉で表されるものは、もう全くなかった。
一年ほど前に買った電子たばこですら、活躍の場をなくし、なりを潜めている。
片づけようと思っていたたばこ関係のものはほとんど処分した。
僕はあまりものを捨てられない性分なのであるが、この件に関してはミニマリストばりにあとかたもなくなにもなくなった。
体調は非常にいい。
ただし、体重が増えたのはご愛敬だと、禁煙の話のオチにしているほど体重は増えた。
これを元に戻すのが今の課題で、禁煙の後遺症とでも言っておこう。
禁煙一年目
もう、禁煙半年の頃と変化はあまりない。
強いて言うなら、体重が少しばかり落ちた。
そして、喫煙への風当たりがどんどん強くなっているのを、非喫煙者ながら感じている。
僕は最も良いタイミングで禁煙できたのではないかとさえ思う。
ここで一本吸ったらどうなるのかとかはあまり考えないが、吸ったらアレンカー先生曰くだめだそうだ。
禁煙ウォッチは一年経ったことを教えてくれてはいるが、もはや僕自身が禁煙ウォッチを見ないため、一年目の記念日を逃す羽目となった。
正月、実家に帰省すると、父親の灰皿はすっかり片づけられていた。
たばこをやめてよかったと思った。
現在
もう、たばこを吸っていたころの習慣や、たばこに関する記憶みたいなものはほとんどない。
強いてあるとするならば、仕事中にたばこを吸っていた時間が、ストレッチの時間に置き換わったくらいだ。
僕が喫煙者だった残り香のようなものも、今ではほとんどない。
よく聞かれることが、「もう本当に吸いたいと思わないか?」ということ。
正直に言って、本当に思わない。
だって、僕はやめようとしてたばこをやめたのではない。
たばこがどうしてもまずくなって、どうしようもないからやめたのである。
この件に関しては、チャンピックスのおかげであるし、チャンピックスの作用に打ち勝てなかった僕の意志の弱さにもよるものである。
また、「たばこはやめることが難しい」、そんな喫煙者の呪縛から解いてくれた禁煙セラピーにも感謝している。
薬と本 どちらかが欠けていたら、僕は禁煙していなかったし、禁煙失敗していただろう。
それほどに、喫煙者だった僕は、たばこに依存していた。
そして、そんな僕でも達成できたこの「禁煙方法」、たばこをやめたい人はもちろん、やめたくない人にも試してみて欲しい。
そして、この「禁煙方法」を試した暁には、あなたにとってベストな選択であったと、心の底から言えるだろうと予言をしておく。
禁煙ウォッチが入っている昔のスマートフォンを久しぶりに起動してみた。
電源は入っていなかったが、禁煙ウォッチの針は進み続けていた。
どうやら、僕がたばこをやめて960日が経過したようだ。
そして、442,060円の節約と、73日と9時間50分の寿命が、禁煙のオマケでついてきたようだ。
僕はそのスマートフォンの電源を消し、次の起動はいつになるか考えたが、もう来ないような気もした。
終わりに
今現在、たばこを吸っている人、たばこをやめようと思った人、たばこをやめた人、様々だとは思いますが、どの人にとっても、たばこは百害あって一利なしです。
これを機会に禁煙・・・おすすめします。
昔と違って、今は楽に禁煙できる時代になりました。
禁煙は根性論でどうにかしようとする人が多いですが、その楽さに甘えてみてもいいと思いますよ。
僕自身、禁煙して本当に良かったと思っています。
皆さまの禁煙が少しでも楽に、そしてうまくいくことを願って、この記事の終わりとさせていただきます。
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